2023年5月11日木曜日

一周まわって生成AIの使い所はなんだっけ

画像の生成系は自分の予想以上のクリエイティビティとコントローラビリティを発揮していていい感じ。自然文に関しては、滑らかに大量の作文ができて凄いだけ?という第一印象そのままかもしれない。ちょっとしたアイデア出しに付き合ってもらったり、ラフなたたき台を作ったり、日常のどうでもいいこと(夕飯のメニューなど)の意思決定コストを下げるために使うのにはちょうどいい。ただ、少しでも専門的で込み入ったものや正確性を求める話題になると制御が難しくなる。回答の根拠となる長いコンテキストや複雑な知識を与えるのが難しい。ChatGPTに聞くよりも自分の大学・大学院時代のノートに尋ねるほうが良い答えが返ってくる。

別の視点として、日本語を扱うには形態素解析〜係り受け解析という手順を踏まないといけない、というNLP界のこれまでの前提を覆したのが凄いのではないかという友人の話には納得した。一文の解析に躍起になるよりも、大量のデータから訓練したLLMを使って全体のなかでの対象の位置づけから文章の意図を理解する、的ないい発明だった。精度的にも価格的にも高級な意味解析器が手に入ったと理解しておくのが良いのかもしれない。

ChatGPTだけを使って自然文の生成技術を評価するのはフェアではないので、Transformerをベースとする他のモデルのAPIも試してみたい。今夜開催されるGoogle I/O 2023で、グーグル製の大規模言語モデル「PaLM」に関する刺激的なニュースがあることを期待している。

0 件のコメント:

コメントを投稿

技書博9にサークル参加します

11/25 (土) に開催される第九回 技術書同人誌博覧会にサークル出展します。久しぶりに 東京で 技術同人誌を売ります!! https://gishohaku.dev/ ソフトウェアエンジニアとして生成AI(おもに大規模言語モデル)に慣れるまでの過程で試行錯誤したことや、自作の...